みなさんこんにちは、青だんごむしです。
今年も暑い夏がやってきましたね。そんな中で今回は、電気の消費がとても少ない冷風機のレビューを行います。
使用の用途次第ですが、使い方によっては電気を使わずに涼しく過ごす事ができる素晴らしい冷風機です。
なお今回のレビュー製品は、2022年にMakuake経由で購入したものです。最新タイプは2023年に発売されたECO-4000(Ver.2)ですが、大きな仕様変更はありませんので参考にしていただけると思います。
吹き出し口の温度検証も行っていますので、貴方さまの環境で実用的かどうかを確認していただくことができます。
ドライクーラーの基本情報
ドライクーラーを開発した企業は、韓国メーカーの株式会社エコスター社です。季節商材の開発を得意とする会社で、日本企業の株式会社MEDIKを通じて、Makuake経由で日本市場に上陸しました。
2023年にMakuake経由で発売された新モデルは、株式会社フルークフォレストが正規代理店となっています。
ドライクーラーの外観
2022年モデルは、本体色が水色と緑色の2色ありますが、最新の2023年モデルはグレー色の1色のみです。
操作パネルの表示面は、左上の数値が「冷風吹き出し温度」で、右上の数値が「吸気口の温度」です。電源ボタンを連続で押すことにより、風量が小⇒中⇒大の順番に3段階で調整できます。
ドライクーラーの仕様(2022年モデル)
2022年9月に購入したドライクーラーの仕様です。
項目 | 仕様 |
---|---|
商品名 | 熱交換式冷風機 ドライクーラー |
型番 | ECO-3000 |
冷却方式 | ヒートシンクを利用した熱交換式 |
電源 | 5V 1.5A USB Type-C (7.5W) |
風速 | 最大4.9m/s(3段階) |
重量 | 2kg |
冷却温度 | 常温から-5℃~-7.7℃ |
寸法 | 直径134mm×高さ340mm |
生産国 | 韓国 |
付属品 | USB Type-Cケーブル・説明書 |
カラー | ウォーターブルー、フォレストグリーン |
ドライクーラーVer.2(2023年モデル)の改善点
初期モデルと、最新モデルの大きな改善点は次の4つです。
- 耐熱加工で冬は温風が出ます
- 上下に風向き調整可能です
- 3層モーターで不快音を軽減と風量増加しました
- データ専用ケーブルでも給電できるようになった
温風については、断熱材を強化したことで対応可能になりました。そして初期モデルで不便だった、風向きの調整できない問題はフラップを搭載し上下の調整ができるようになりました。
あとは、吹き出しモーターを変えてモーター音の改善と風量がパワーアップ(5.1m/s)して、従来は充電用ケーブルしか使用することができなかった致命的な問題を、どのケーブルでも給電使用(消費電力4.9W)できるように解決されました。
詳しくは公式サイトをご確認ください。
ドライクーラーと他社の冷風機との違い
数年前からある他社の冷風機の特徴は、フィルターに冷たい水を染み込ませてファンで風を送ることで冷風を出すことでした。気化式の加湿器と同じ仕組みなので、湿気を伴う冷風で不快に思う場合もあります。
それに対して、ドライクーラーは熱交換式の冷風機です。予め冷たいものが入れられた熱交換フィンに、直接熱風を当てることで冷やされたフィンから湿気のない冷気がでます。
ドライクーラーの実力を検証
本体をみると分かりますが、ドライクーラーはとても小さな製品となります。冷風は出ますが、冷却能力は低いのでスポットクーラー的な使用方法が好ましいです。
今回の実力検証では、周辺の温度によって大きく変わってくるので、参考程度にご確認ください。
ドライクーラーの消費電力
ドライクーラーの電源は、USB-Cで供給する方式です。モバイルバッテリーによる消費電力の測定値は以下のとおりになりました。
- 弱風:2.55W(5.1V 0.5A)
- 中風:3.06W(5.1V 0.6A)
- 強風:3.57W(5.1V 0.7A)
メーカー仕様では、強風モードで4.9W(5V 1.5A)と表記がされていますが、実際には低い消費電力となっています。
コントローラー部分に、小さなファンが一つ取り付けられているだけなので、消費電力は高くありません。5V1Aもないので、古い機器のUSBに接続しても稼動してくれます。
熱源は主に氷
この製品で冷風を出すための熱源は、主に氷です。(温風の熱源は熱湯)
メーカーでは冷たい水を入れたり、凍らせたペットボトルを直接本体に入れることを推奨していますが、一番効果の高い冷やし方は氷です。
今回は色々な熱源をもとに、どのように冷えてくれるのかを検証してみました。なお検証内容の一部は、屋外と室内と2つの環境で調査してみました。
熱交換器の中に、熱源となるものを入れて蓋をしてから測定します。電源を入れて、蓋をしてから10秒、30秒、1分、10分、30分の時間でどれだけの冷風が出るのかを確認します。
熱源:業務用製氷機で作った複数の氷
短時間で氷が作れる、業務用の製氷機で作られた複数の氷を熱交換機内部へ満タンに入れました。
当検証では、この方法が一番涼しい風が出ます。
室内で使用した場合(室内温度:25度)
時間 | 吹き出し温度 |
---|---|
10秒 | 18度 |
30秒 | 13度 |
1分 | 11度 |
10分 | 12度 |
30分 | 20度 |
屋外で使用した場合(屋外温度:32度)
時間 | 吹き出し温度 |
---|---|
10秒 | 18度 |
30秒 | 14度 |
1分 | 14度 |
10分 | 17度 |
30分 | 25度 |
屋外で使用した場合は、稼動して10分位はとても冷たい風がでますが、それ以降は徐々に風が温くなっていきます。
熱源:業務用製氷機の氷と水
たくさん氷を入れて冷水を加えることで、熱交換フィンとの密着密度が多くなり早く冷えるのではないかと思い、検証しました。
室内で使用した場合(室内温度:25度)
時間 | 水温 |
---|---|
10秒 | 22度 |
30秒 | 20度 |
1分 | 19度 |
10分 | 19度 |
30分 | 19度 |
屋外で使用した場合(屋外温度:32度)
時間 | 水温 |
---|---|
10秒 | 22度 |
30秒 | 20度 |
1分 | 19度 |
10分 | 21度 |
30分 | 25度 |
氷だけのときよりも冷風温度は低くなりませんでした。熱交換内部の表面に密着する温度で冷風温度が変化するようです。氷よりも氷水のほうが密着時の表面温度が高いということですね。
熱源:家庭用冷凍庫で凍らせた大きな氷
家庭用冷蔵庫でペットボトルを凍らせてから、ペットボトルのプラスチック部分を剥がして、大きな氷を熱交換器の中に入れてみました。熱交換フィンの表面と氷が密着しないとフィンが冷たくならないので、少し斜めにして投入しました。
室内で使用した場合(室内温度:25度)
時間 | 吹き出し温度 |
---|---|
10秒 | 18度 |
30秒 | 12度 |
1分 | 11度 |
10分 | 14度 |
30分 | 22度 |
やはり、氷水より氷だけにしたほうが冷風温度は低いです。でも解けるスピードが速いので、短時間の使用は大丈夫だけど長時間の使用は難しいです。
熱源:凍らせたペットボトルと水
メーカー推奨の、凍らせたペットボトルを熱交換機の中に入れて水を入れました。水を入れることで、PETと熱交換器が密着されて熱が伝わりやすくなります。
室内で使用した場合
時間 | 水温 |
---|---|
10秒 | 23度 |
30秒 | 22度 |
1分 | 20度 |
10分 | 21度 |
60分 | 25度 |
1時間使用した時点で、ペットボトル内の液体は完全に溶けてしまいます。
屋外で使用した場合
時間 | 水温 |
---|---|
10秒 | 25度 |
30秒 | 23度 |
1分 | 22度 |
10分 | 22度 |
60分 | 26度 |
熱源:10度の冷水
室内温度が28度のときに、メーカー推奨の冷水だけを入れてみる方法も試しました。
熱源が水なので、吹き出し口は体感できるほどの冷たさにはならず、すぐにぬるくなりました。室温が24度の場所で使用すれば、長時間涼しくなれる可能性もあります。
時間 | 水温 |
---|---|
10秒 | 18度 |
30秒 | 17度 |
1分 | 20度 |
10分 | 23度 |
30分 | 27度 |
熱源:90度の熱湯
初期モデルは熱湯に対応していないため、室内温度26度の環境で、電気ポットで保温していた90度のお湯を使い検証してみました。(最新モデルは110度の熱湯までOK)
吹き出し口の温度表示は44度までで、45度以上はHiと表示されます。
時間 | 水温 |
---|---|
10秒 | 41度 |
30秒 | 46度 |
1分 | 55度 |
5分 | 60度 |
30分 | 37度 |
公式サイトの温風温度仕様では、約43度と記載されていますが熱湯を入れて6分後には、64度の熱風を記録しました。夏場の室内で計測しているため、冬場のもっと周りが寒い環境ならもう少し下がるのかもしれません。
検証して分かる残念ポイント
ドライクーラーの能力を確認して分かった事が2つあります。
部屋を冷やす事はできない
冒頭でもお伝えしたとおり、部屋を冷やすだけの能力はありません。2帖の狭い部屋であっても難しいです。
- 冷風機の大きさ
- 周辺温度
- 熱源材料
主に3点の影響が関係しているものと思います。冷風機本体が小さいので冷却能力が低く、使用する環境の周辺温度が暑いとすぐに吹き出し温度がぬるくなり、熱源が氷でないと、長時間の冷風が難しいことが結果です。
もし部屋を冷やそうとするのであれば、冷風機を今の5倍くらい大きくして、熱源になる氷を大量に入れないと難しいのではないかと思います。
長時間の使用が難しい
上記とほとんど同じですが、長時間使用するには周辺環境と熱源になる材料で決まります。元々涼しい部屋でのスポットクーラーでの使用であれば、不具合なく使用できると思いますが、周辺が暖かい環境での使用は難しいです。
消費電力は低いので、10000mAのモバイルバッテリーがあれば半日は稼動することはできます。ただし冷風温度を15度キープして長時間の使用を行うとしたら、大量の氷と溶けた水を捨てられる環境を準備する必要がありますので、特に室内での利用だと大変なのではないかと思うところです。
最後に・・・
このドライクーラーは、検証のとおり氷があればジメジメしない快適な冷風を簡単に作り出すことができます。しかし快適な冷風を継続的に運用するには、氷をたくさん準備するなどの少し面倒な弱点があります。
なお、熱湯を入れて熱風使用する場合も30分までが限度で、あとは継ぎ足ししながら使う方法になりそうです。
屋外で使用する予定なら、短時間の使用ができるスポットクーラー的な役割で考えたほうが良いです。
一方の元々涼しい室内環境で、ドライクーラーを使用するのであれば長時間の使用でも特段問題になることはないと思います。
冷たい冷風を維持して使用されたいのであれば、熱源である氷の準備を怠らないようにしましょう。
冬場の屋外で暖房として使用する場合も、水筒に熱湯をたくさん入れて持ち運びしましょう。
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