
こんにちは、青だんごむしです。
自分の家や他の住宅の窓断熱性能を調べるのに便利です。
2022年以降、物価上昇により新築住宅の購入が厳しくて、お手頃な中古住宅や建売住宅の購入を検討する方々が増えてきました。
しかしながらお手頃な住宅の中には、性能の良い住宅と良くない住宅がありますが、実は建物の外観で窓を見るだけで、簡単に断熱性能を見分けることができます。
これから建売住宅を購入予定の方、中古住宅を検討している方は、ぜひ夏は涼しく冬は暖かい住宅なのか、または夏は暑く冬は寒い住宅かを現地に足を運んで見分けていただきたいです。
現在、すでに入居中の場合でも、自分のお家の断熱性能を確認してみてください。
- オール樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシ、アルミサッシを見分ける方法
- サッシのスペーサーが樹脂かアルミか見分ける方法
- 建築中住宅の玄関ドアを見るだけで断熱性能が分かる方法
窓の断熱性能の見分け方
まず最初に、確認してほしいポイントは建物の窓枠です。建物の窓の性能次第で、建物内の快適さや冷暖房の光熱費に関わってきます。
日本の住宅で使用されている窓の種類は大きく分けて4種類あります。その上で断熱性能の良い住宅で暮らしたいなら、総合的に見てコストパフォーマンスの高い樹脂サッシを施工されている建物を選んだほうが良いです。
窓の種類 | 断熱性能 | 建築時期の目安 |
---|---|---|
アルミサッシ | 低い | 1980年代 |
アルミ樹脂複合サッシ | 普通 | 2000年代 |
樹脂サッシ | 高い | 2015年~ |
木製サッシ | 最高 | 2015年~ |



青だんごむしが家造り中に、色々なお宅の断熱性能が知りたくて熱の出入りが激しい窓ガラスに目を向けて、お外から住宅を見て調査していました。
樹脂サッシとアルミサッシの見分け方
よく窓枠を確認する際は、枠の厚さ(樹脂は太い・アルミは細い)で見分けられると言いますが、メーカーによって若干違うので判別しにくかったりします。サッシ色も最近は複数の色があるのでパッと見は分かりにくいです。
自分のお家の窓性能を簡単に確認したい時にも是非確認してみてください。
小さい窓よりも、リビングに1箇所は設置されている大きな窓を見たほうが他との違いが分かりやすい
それは・・・ サッシ枠の角を見て下さい
そして・・・ 繋ぎ目を見て下さい
樹脂サッシ → 斜めに繋ぎ目
アルミ樹脂複合サッシ → 縦に繋ぎ目
アルミサッシ → 縦に繋ぎ目


※最近建築された住宅の外側の繋ぎ目が縦ならアルミ樹脂複合サッシで間違いありません。
※アルミ樹脂複合サッシの内側の樹脂枠は見栄えを良くするため、斜めの繋ぎ目ではありません。
樹脂サッシ枠の特徴
サッシ枠の角の繋ぎ目が斜めになっていて、内側と外側のどちらからも斜めにつなぎ目があります。
サッシのデザイン(形や大きさ)が複数ありますが、基本的にどの窓も同じ部分をみれば分かります。




※確認するとき、間違えて網戸の枠(緑丸部分)を見てしまう場合がありますのでご注意ください。
なお、2022年以降に登場したLIXIL製の樹脂サッシの場合、新しい製造工法のためつなぎ目が斜めになっていないことがありますので、それ以前の窓を見分ける際にご参考ください。
アルミ樹脂複合サッシの特徴
樹脂サッシとの見分け方では、角の繋ぎ目が縦方向ならアルミ樹脂複合サッシです。しかしサッシ枠の幅の違いでアルミサッシの可能性もあります。縦横の幅が同じくらいであれば、アルミ樹脂複合サッシです。




また最近のアルミ樹脂複合サッシには、更にサッシ枠を細くしたスタイリッシュなタイプがあります。
左(上)の画像はスタイリッシュな製品ですが、旧型はサッシの下部がアルミサッシのような太さになっています。
最新のアルミ樹脂複合サッシは、アルミの部分が少なくなったことでサッシ部分がスリムになり断熱性能が向上しています。
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アルミサッシの特徴
アルミ樹脂複合サッシの旧型とアルミサッシを比較する場合、サッシ下部の太さを見て下さい。
アルミサッシは極端にサッシ下部の幅が太いです。30年以上前のアルミサッシになると、2種類のガラス(普通のガラスと摺りガラス)が上下にはめ込んだタイプもあり、この場合はガラスとガラスの間にサッシが組み込まれています。


住宅に限りますが、出窓の有無によってその住宅がアルミサッシかどうか判断できます。


出窓は今から30年前に流行となってた窓で、壁から飛び出して窓が設置されているタイプです。私の実家も出窓が複数設置されています。出窓のついている住宅であれば、サッシ枠を見なくてもアルミサッシで確定です。
ちなみに最近の住宅は出窓採用率がとても低くなっています。その理由が、高価格とデザインと断熱性能の低さです。今流行の高断熱・高気密住宅に出窓採用の住宅を作ろうとしたら、一定の気密・断熱性能を維持するのは非常に難しく不向きです。
サッシのスペーサーでアルミか樹脂を見分ける方法
窓枠の次に、窓のスペーサー(ガラスとガラスの間のつなぎ)部分を見て、断熱性能を確認することができます。
最近流行りの結露対策で、サッシのスペーサー素材も重要視されるようになりました。解説する場所を見れば、窓ガラスが結露しやすいか結露しにくいのかを判別することができます。
スペーサーという素材は、ペアガラス&トリプルガラスのガラスとガラスの間に使用されています。ガラスとガラスの間をつなぐ素材によって、熱の伝わり方が変わり結露しやすい窓なのかどうか分かります。素材は主に樹脂とアルミの2種類があります。



オール樹脂サッシを採用している方は確認してみてね。
もしアルミなら、冬場にサッシ枠が結露することがあるよ!
ガラスとガラスの間の板が
樹脂スペーサー ⇒ 黒色
アルミスペーサー ⇒ シルバー色
見た目は、樹脂スペーサーが黒いゴム板(奥側)でアルミスペーサーがアルミの鉄板(前側)のように見えます。


これまでは、一部のペアガラスの樹脂サッシやトリプルガラスの樹脂サッシに標準とされていた樹脂スペーサーが、2021年5月にYKKAPから発売された「エピソードⅡ NEO-B」というペアガラスのアルミ樹脂複合サッシでは、樹脂スペーサーが標準になりました。
従来のアルミ樹脂複合サッシよりも断熱性能が向上し、結露もしにくくなりましたが樹脂サッシには劣ります。
窓のメーカーが分かれば製品名が特定できる
断熱性能の見分け方とは関係ありませんが、事前に窓のメーカーが分かるなら、現物のサッシを見ることで製品を特定することができます。ガラスの枚数は、光をガラスに当てながら斜め方向から見れば、光の反射で枚数が判ります。
樹脂スペーサーなら、その窓はAPW430(トリプルガラスの樹脂サッシ)かAPW330(ペアガラスの樹脂サッシ)かエピソードⅡ NEO-B(ペアガラスのアルミ樹脂複合サッシ)になります。
アルミスペーサーならエピソード NEO(ペアガラスのアルミ樹脂複合)かエピソードⅡ NEO(ペアガラスのアルミ樹脂複合)かエピソードⅡ NEO-R(ペアガラスのアルミ樹脂複合)で確定です。
樹脂スペーサーであればその窓はレガリス(5枚ガラスの樹脂サッシ)か樹脂窓EW(ペアかトリプルガラスの樹脂サッシ)ハイブリッド窓TW(ペアかトリプルガラスのアルミ樹脂複合サッシ)かサーモスX(トリプルガラスのアルミ樹脂複合)かエルスターX(ペアガラスの樹脂)になります。
アルミスペーサーならサーモスⅡシリーズ(ペアガラスのアルミ樹脂複合)で確定です。
新築建築中の玄関ドアで断熱性能を見分ける方法
現在建築中の住宅や建売住宅の場合に、玄関ドアのカバーを見れば窓枠を見なくても、大体の建物の断熱性能が分かります。
新築で建築中の玄関ドアには、ドア本体を保護するためのダンボールで作られたカバーが外側に貼られています。このダンボールカバーの、真ん中あたりに表記されている商品名の上部を見て判断できます。
アパートで使用されている玄関ドアのほとんどは、一番最低性能の玄関ドアを使用しています。一戸建て住宅であれば断熱玄関ドアを推奨で、建売住宅で断熱玄関ドアが設置されていれば、快適な暮らしを期待できます。


YKKAP製
名称 | 主な商品名 | 断熱性能 |
---|---|---|
玄関ドア | 低い | |
断熱玄関ドア | D30 | 普通 |
高断熱玄関ドア | D50/D70 | 高い |
LIXIL製
名称 | 主な商品名 | 断熱性能 |
---|---|---|
玄関ドア | 低い | |
断熱玄関ドア | 普通 | |
高断熱玄関ドア | 高い |
メーカーごとに記載名が違いますが、大体同じランク分けになっています。
また、玄関ドアと窓サッシの断熱性能を比較するとこのような位置づけです。断熱性能は、数値が低いほど高性能になります。
窓サッシ | 断熱性能 Ua値 | 玄関ドア | 断熱性能 Ua値 |
---|---|---|---|
アルミサッシ | 4.66 | 玄関ドア | 4.66 |
アルミ樹脂複合サッシ | 2.33 | 断熱玄関ドア | 2.33 |
樹脂サッシ | 1.3 | 高断熱玄関ドア | 1.30 |
木製サッシ | 0.5 | 高性能高断熱玄関ドア | 0.7 |
窓に樹脂サッシを設置している場合、本当であれば高断熱ドアを設置することで建物のバランスのよい断熱性能を期待できます。しかし価格を抑えるために、一般的な住宅には断熱玄関ドアを採用することがとても多いです。
サッシ見分け方のまとめ
サッシ・スペーサーの見分け方は以下のとおりです。
角の繋ぎ目が斜め ⇒ 樹脂サッシ
角の繋ぎ目が縦 ⇒ アルミサッシ
引き違い窓サッシの下部幅が細い ⇒ アルミ樹脂複合サッシ
引き違い窓サッシの下部幅が太い ⇒ アルミサッシ
ガラスとガラスの間のつながり部分が黒色 ⇒ 樹脂スペーサー
ガラスとガラスの間のつながり部分がシルバー色 ⇒ アルミスペーサー



最後まで観てくれてありがとう! 是非参考にしてね~
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