2020年にイシンホームで平屋を建てた住宅の気密測定結果

青だんごむし

こんにちは、青だんごむしです。

気密測定とは、現場で壁の隙間を調べる試験です。C値という数字が低いほど住宅の気密が優れています。

そして青だんごむし家は、気密測定を行っています。断熱材が施工された時と、完成時の2回行いました。

当初は施工中の1回だけの予定でしたが、1回目の結果に期待を抱いてしまい、2回目もお願いしましたが期待していた数値に届かなかった事についてお話します。

目次

気密測定を行った経緯

以前からYoutubeで色々な一級建築士さんのチャンネルで気密測定は重要というのを観ていて、自分の家でも二重窓による断熱に力を入れていた為、気密数値を確認したくて契約後にオプションとして実施することにしました。

ローコスト住宅で気密測定依頼は難しい

気密・断熱に自信のあるハウスメーカーや工務店であれば、全棟標準で気密測定を実施されますが、自信のないハウスメーカー(特に鉄骨造)や家の性能に力を入れていない工務店では「高気密・高断熱」と謳いながら測定されていないのが普通です。

そもそもローコストや建売系では、測定を拒否されるところが多いのが現状です。

どこの工務店も施主からの要望が無い限り、気密測定を実施するかの話は一切無く、スルーされてしまうのが一般的です。青だんごむしの工務店も、まさにそうでした。

(そもそも施主が家造りの勉強をしていなければ、この展開にはならないと思います)

イシンホーム鈴鹿店はオプションで気密測定可能

当家では注文住宅の契約後、着工前に担当者に相談したんですけど、急な要望にも関わらず受け入れてもらうことができました。

しかしながら、正直イシンホーム鈴鹿店では気密・断熱にこだわっていない感じなので結果に不安でした。棟梁大工さんも、気密測定に気配りした家造り施工ではなかったように感じました。

というのも、上棟時に窓の高さを間違えるという施工ミスがあったので、間違い箇所を直してはいただいたのですが諦めモードでした。

気密測定の結果

工務店から事前に希望の目標C値を聞かれていましたので、Youtubeの意見を参考に0.5~0.7以下でお願いしました。

気密測定1回目(断熱材充填後) [2020.8.25]

測定環境

ウレタン断熱材の吹付後で、まだ何も壁や床に穴を開けていない状態で測定を行いました。測定場所は、北東側の部屋の引違い窓です。

当日、測定現場に立会いしたかったのですが、当方仕事で現場に行けず夢が叶いませんでした。

バズーカーのような機械で建物内の空気を抜き、アタッシュケースのような制御機で測定します。

柱の床の隙間はスプレー熱材を詰めています

測定前には、ちょっとでも良い数値が出るように建物内の柱と床の隙間をスプレータイプの断熱材で詰めたり、窓枠や玄関ドア周りの隙間は養生テープで隙間を無くしています。

1回目の測定結果

測定は数回行い、結果の良かった数値を最終測定値にしています。

現場監督さんから当日中に結果のお知らせがありまして、

測定結果は C値:0.69 でした。

大きい掃き出し窓が2つあるので、当然の結果と思いつつも、「建築完成後に2回目を測定してもらったらもっと良い数字(0.5位)が出るのでは?」と思いました。

しかし本来の気密測定って、気密値を良くするために後付で隙間にスプレー式断熱材や窓枠に養生テープを貼らず、素の状態で測定するのが正しい測定方法なんですよね。

だからウチの場合は残念ながら正規な数値ではなく、見せ掛けの数値なのかもしれません。

気密測定2回目(住宅完成時)[2020.11.17]

建具や電気設備の設置が終わり、室内クリーニングが完了した完成間近に2回目の気密測定を行いました。

測定環境

断熱材吹付け後に測定した1回目ではC値=0.69でしたので、その時に更に良い数字が見込めそうだと判断し、2回目の測定を行いました。(当初は一回だけの予定でしたが、1回目測定後の結果を見て2回目の実施もお願いしました)

今回は、青だんごむしも現場で立会いのもとで行われました。

当家では引き違い窓を、二重サッシ仕様(内窓)にしているため、気密は増していると信じています。

測定には前回と違い、なぜか違う窓からの測定となりました。1回目は北側部屋の窓でしたが、2回目は洗面所の窓です。おそらく1回目の場所は内窓が設置しているため、内窓のない窓で設置する必要があったものと予測されます。

準備から測定が終わるまでの時間は1時間程で、測定時間は15分位です。

気密測定中の現場

洗面所で気密測定

今回は窓や玄関の隙間にテーピングはありませんでしたが、外壁ではなく内壁の照明スイッチやコンセントまわりには養生テープが貼られていました。

あとはキッチンとお風呂場の換気扇まわり、床のガラリを養生テープで貼られています。

2回目の測定結果

2回目の気密測定結果:C値= 1.0

期待していたC値が0.69 ⇒ 0.5くらいではと予想していましたが、なぜか悪化してしまう結末です

元々は気密にこだわりのある工務店ではないので、1回目の測定後に穴あけを施工した業者さんはきちんと気密施工をしていないのだと思います。

おそらく工務店側としては高断熱・高気密をイシンホームが提供している材料・設備だけでカバーできていると想い込んでいるので、従来どおりの(気密を気にしていない)施工だけで完成しているもようです。工務店がその考えなら業者さんの考えも同じですよね、きっと。

だから気密をしっかり考えているところは、工務店(ハウスメーカー)や指定業者さんもしっかり気密施工してくれるでしょうし、気密測定も自信があるので全棟実施してくれて施主に安心感を与えているものと思います。

気密測定業者は、2回目の測定中に蓄電池のTESLAバックアップゲートウェイあたりに手をかざして、風の流れ(赤い矢印)を確認していましたので、おそらくその辺に大きな配線穴が空いているのではないかと推測します。

気密がとれなかった箇所の原因追求

通常であれば、1回目の数値よりも2回目の数値のほうが良くなる場合が多いのですが、当家では住宅建築中に行った1回目の測定でC値0.69、完成時の測定ではC値1.0と最終的に数値が悪くなってしまいました。

どうしてこのような数値になってしまったのか、原因を探してみました。

建築中の気密測定後に気密が改悪した理由

1回目の気密測定後から2回目までの間に、外壁に穴をあけて電気配線や換気扇ダクト、エアコン設置が行われたり、部屋内のスイッチやコンセント等の電気配線を行う穴をあけたりしていることが原因と思われます。

本来であれば、この時に適切な気密処理を行わないといけないのですが、されていない可能性が高いです。

気密の施工に意識のある住宅会社であれば、穴の周りをしっかり気密処理を行い、隙間ができないようにするのが普通ですが、上記で解説したとおりで元々気密にこだわりのない住宅会社であれば何も処理されていないことがほとんどです。

当家で確認できる実際の気密値予想

当家の場合では、外壁や床板に穴が一切空いていない一番良い状態で0.69です。

1回目の測定値を基準とした時、2回目と入居時の気密状態は以下にあてはまります。

実際の気密予想値(C値)穴が空いていて気密が担保されていないと思われる箇所
1回目 0.69なし
2回目 1.00外壁の電気配線機器まわり
入居後 1.50予想スイッチ&コンセントまわり、電気配線機器まわり、床ガラリ

2回目の気密値が下がった理由

1回目と2回目の気密測定で、0.31も改悪した原因としては、外壁に穴を開けたことが要因と考えられます。浴室の換気ダクトや、キッチンの換気ダクト、太陽光発電システムの配線や蓄電池の配線等で穴を開けられますが、きちんと気密処理を行われていないものと思われます。

こんな時は、外壁の穴を塞ぐことができれば1回目の気密測定値0.69に近づけるはずです

入居時の気密予想値は2回目測定値以下

2回目の測定では、コンセントやスイッチまわりに養生テープが貼られた上で気密測定を行っていることから、実際にはスイッチやコンセントまわり(裏側)には気密処理が施されていないものと判断できます。

つまり養生テープが貼られた状態で、気密測定をしてC値1.0になっているとしたら養生テープを剥がしたときは1.0よりも気密値が悪いことを意味しています。

こんな時は、測定時に養生テープで気密がとられていた部分を裏で塞いであげれば1.0に近づけるはずです

まとめ

施主の希望で実現した気密測定でしたが、やはり気密施工にこだわりのない工務店では気密性能は優れていないのが現実のようです。

気密測定結果
1回目:0.69
2回目:1.0

高気密住宅認定書
住宅の気密性能試験結果

でも事前に、気密測定でなぜ数値が下がって(改悪)してしまった原因が分かっていれば、入居時に自分で穴を埋めるなどの対策ができるので、まだ気密住宅を諦める必要はないと言えます。

実際に気密測定を、標準仕様で行ってくれる住宅会社は未だ少ない状況なので、当方の場合はまだ対応してもらえるだけで良かったです。

当家を建てていただいたイシンホーム鈴鹿店では、2023年度からオプションでC値0.7以下保証の気密測定を行う事が可能になりました。
三重県のイシンホームフランチャイズ店舗でも、気密保証を公言しているところは少ないので、三重県でイシンホームを検討中であれば、鈴鹿店も候補にいれてみても良いかもしれません。

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