我が家では2020年に住宅を請負契約したあとに太陽光設備等のリース契約を行いました。今回は契約したリースの内容と、2022年以降にこれからリースを検討される方へのリース代についてお伝えしていきます。
- イシンホームが提供するリースの内容
- 運営者が契約したリース内容と設備
- リース支払費と契約期間
- 2024年度のイシンホームリース費用予想
- イシンホームでリースする場合の今後の傾向
イシンホームのリースとは?
イシンホームでは、高額な太陽光設備を住宅ローンに入れられない世帯向けにリース販売「ZERO SECH(ゼロセッチ)」を提供しています。宣伝でよく見る「0円ソーラー」や、「初期費用0円」と同類の商品です。
当方が2020年にリースを検討している時は、リース会社が2つありました。大阪ガスと東京TEPCOです。しかし2021年以降は、大阪ガスファイナンスでリース契約を行うことができます。
イシン住宅研究所の関連会社「SIソーラー」のリース紹介動画
※こちらの動画は2020年に製作されていますが、当初は確かに無理のない返済が可能でした。しかし2022年10月から、円安の影響でリース代が値上がりしてしまい、売電単価も低いことからお支払いを実質0円にすることは難しくなりました。
それでも電気代が高騰している今、20年以上の長期的に考えることができれば、必ずプラス資産になります。
疑問に思うのは、太陽光設備を住宅ローンに組み込んでいる世帯がどれだけあるか
他のハウスメーカーで太陽光設備を設置する場合、大体の太陽光パネル設置容量が5kWなので150万円くらいで収まります。
しかしイシンホームが提供している太陽光設備は、パネル積載容量が多く蓄電池もセットにしていることが多いため、太陽光パネルの積載量が10kWをこえて更に蓄電池も設置するとなると、導入費用が余裕で400万円を超えてきます。このため住宅ローンに組み込むことのできる世帯は、そんなに多くないのかと思います。
特に世帯年収が600万円未満のご家庭では、住宅ローンの借入額も多くないため、太陽光設備をローンに入れることは難しいのではないでしょうか。私も世帯年収600万くらいで、住宅ローンに組み込むのができなかったのでリースで契約しました。
新しい商品のX-ZEGAでは、大容量太陽光パネル&大容量蓄電池が標準仕様となっていますが、そのぶん建物本体価格も高くなっています。これを住宅ローンで納めることができない場合、結局はリースでの契約を提案されます。
2021年以降に発生した、ウッドショックの影響や超円安による影響で住宅価格が高騰しているため、住宅ローンに全てを入れることができず、太陽光システムをリースで契約される方が増えてきました。
イシンホームのリースサービスは他社に比べて優遇(設置できる機器と価格)されているので、これからご検討されている方にオススメしたいです。
契約できるリース会社
イシンホームでは太陽光発電システムの仕入れに、イシン住宅研究所(本社)の関連会社 SIソーラーから行っています。SIソーラーは、太陽光発電システムや蓄電池、冷暖房設備などを直接メーカーから仕入れており、リース事業も展開されています。
私が契約した2020年当時は、リース会社が2つありまして、私が選択したのは、条件の良いTEPCOです。
各社のリース内容をご紹介します。
※2021年以降は大阪ガスとの契約に限られます
大阪ガスファイナンス
従来からSIソーラーと提携している会社です。
こちらの場合、買電会社を自由に選べるので魅力です。
TEPCOだと買電会社に縛られてしまいますが、こちらだとポイント還元率の高い楽天でんきや、携帯電話・スマートフォンキャリアの会社とも端末セットで契約できるので便利です。(auでんきやソフトバンクでんきの事)
TEPCOライフサービス
2020年2月にリース事業を開始した会社です。SIソーラーとの提携も同時期になります。ですが2021年でリース提携が終了してしまいました。
リース満了後に追加費用無しで施主に譲渡されるのは嬉しいですね。
TEPCOの買電プラン
基本料金0円というのが大きくて、太陽光発電と蓄電池の組み合わせで電力会社から電気を買わなければ、毎月の電気料金請求が0円になる可能性が大きいということです。
2022年から徐々に高騰している燃料費調整額の影響で、2023年1月末でTEPCOライフサービスが提供する電力供給サービスが終了することが、2022年11月に発表されました。リース契約している方は電力の割引率が高かっただけに残念です。
太陽光リースと同時に契約した電力供給サービスですが、電力供給サービスは終わってもリース契約そのものは終了しないので引き続き支払っていく形になります。
当家の場合、電力会社をTEPCOから北海道に本社があるオカモト「0円でんき」に乗り換えました。
リースの支払い費用
当家が2020年に契約したリース内容と、2024年以降の太陽光リース代を予想してをお伝えします。
まず当家が契約したリース設備は3つあり、太陽光と蓄電池と床暖です。リース契約期間は10年です。
イシンホームで契約できる太陽光発電システムの価格は、関連会社のSIソーラーから納入されますので、他社のリース費用より安くなります。
契約したリース設備
当家で契約した太陽光パネルは、サンパワー(現マキシオン)は、設置費用も含めた1kWあたりの単価は21.6万円です。製品&出力のどちらも25年保証ですが、質の良いパネルを相場よりも相当安い価格帯で導入することができました。
毎月の支払額
契約した月が2020年7月で、リース支払いの開始時期が11月からの予定でしたが、電力会社への申請で蓄電池の不備が発生してしまったため、蓄電池の稼動が2021年3月になりました。
このトラブルに関して、リース会社からご配慮をいただきまして、蓄電池が稼動してから支払を開始させていただきました。
10年リースの支払いシミュレーション
イシンホームでは太陽光リースを検討する方に、10年間きちんとリースが支払いできるよう支払シミュレーションを実施しています。シミュレーションでは、太陽光発電で得られる経済効果を全面的に押し出しており、35年間お得になるような計算方法になっています。
当家でも何パターンか、経済効果シミュレーションを計算していただいておりまして、そのうちの1つが以下になります。
シミュレーションでは400Wで計算されていますが、当家では納入時期の関係で実際には360Wの太陽光パネルを設置しています。
イシンホームで太陽光発電を検討していれば必ず貰えるシミュレーション表
マキシオンの14.8kWで太陽光パネルを設置した場合、年間発電量予測は16,411kWhとなっていますが、12.96kWのマキシオンパネルを設置した当家では、2023年の実績で17,000kWh以上発電しています。
太陽光発電を検討する場合ですが、大体のハウスメーカーや太陽光システム販売会社では年間あたりの毎月太陽光予想発電量と経済効果についてシミュ計算されますが、イシンホームの場合は毎月の予想発電量の提示はなくて、リース代の支払があっても10年間は利益がでること、10年以降は大幅な光熱費の削減ができること、利益が35年間まで増え続けていくことをアピールしています。
2024年現在は「サンクスZEGA」を売りにしており、「50年間で最大3,000万円の売電・節約可能」の電気の自給自足ができる住宅を宣伝しています。
※14kWの太陽光パネルを設置した場合
2024年度のリース代を予想(10年プランの場合)
当サイトではイシンホーム標準の太陽光パネル「マキシオン」製のリース代を、全国のFC工務店が公開されているWebやSNS等で調査して、2022年9月に改定された価格表を独自入手することができました。
円安や物価上昇や輸送費等の影響で、2022年9月からリース価格が改定し値上がりしましたが、太陽光パネルの価格は、基本的に国が定める売電単価によって変動するため、2024年のリース代は2022年9月の価格と比べて大幅な値上がりはないものと推測しています。
従来までのリース契約では、売電が主体だったためパネル容量を32kWまで設置することができましたが、2021年度以降のリース契約では家庭の自家消費を主体としているため最大パネル容量が16kWまでになります。
太陽光パネル:マキシオン SPR-MAX3-400(400W)
パワコン:デルタ H4J 220(4.0kW)、H6J 240 + H4J 220(9.9kW)
※パワーコンディショナー機器の容量が8.0kW以上になると機器が2台になります
太陽光容量 | パネル枚数 | パワコン容量 | リース総額 | 毎月のリース代 | 1kW単価 |
---|---|---|---|---|---|
4.8 kW | 12枚 | 4.0 kW | 105万円 | 9,500円 | 27.2万円 |
6.0 kW | 15枚 | 4.0 kW | 130万円 | 11,000円 | 27.1万円 |
6.8 kW | 17枚 | 5.9 kW | 150万円 | 12,500円 | 27.0万円 |
8.0 kW | 20枚 | 5.9 kW | 170万円 | 14,000円 | 26.2万円 |
8.8 kW | 22枚 | 5.9 kW | 190万円 | 15,500円 | 26.5万円 |
10.0 kW | 25枚 | 8.0 kW | 210万円 | 17,000円 | 26.2万円 |
11.2 kW | 28枚 | 8.0 kW | 240万円 | 20,000円 | 26.4万円 |
12.4 kW | 31枚 | 9.9 kW | 255万円 | 21,000円 | 25.5万円 |
13.2 kW | 33枚 | 9.9 kW | 270万円 | 22,500円 | 25.4万円 |
14.8 kW | 37枚 | 9.9 kW | 300万円 | 25,000円 | 25.5万円 |
※1kWあたりの単価は、リース総額と設置費用(1kWあたり:5万円)を含めた数字になります。
パワコン 3.2kW:3.2kWまでの太陽光パネル
パワコン 4.0kW:4.0kW~6.0kWまで
パワコン 5.9kW:6.4kW~8.8kWまで
パワコン 8.0kW:9.2kW~12.0kWまで
パワコン 9.9kW:12.4kW~16.0kWまで
太陽光リースには設置代が含まれていないので、設置費用としてパネル1kWあたり5万円が掛かります。
例えば太陽光パネルを10kW設置する場合は、設置代が50万円必要になります。設置費用は住宅ローンに組み込む形となるので、一見すると初期費用0円でしたと錯覚してしまうかもしれません。
「せやま基準」を提唱されている元イシン社員の瀬山氏の説明では、イシンホームの太陽光設備は住宅ローンに組み込んでもリース支払いにしても、価格は大きく変わらないとYoutube動画内で解説されているので、住宅ローンの予算に合わせて決められると良いです。
2022年8月までのリース代(値上げ前)
2022年8月末までの価格は、最新のリース代よりも20%~30%安い価格で導入できました。旧価格であれば、売電単価が17円になっても費用の元を10年以内に回収する事が可能です。
また価格に関係なく、2022年2月以降に設置されたマキシオン製の太陽光パネルであれば、製品本体の保証が40年間なので安心です。それに世間では、パワーコンディショナーの故障が10年~15年くらいと言われる中で、イシンホーム独自の製品保証が15年ついてきますので、2022年2月~8月までに契約された方は超お得であると言えます。
2022年の蓄電池リース代
蓄電池はFIT売電価格と比例しないため、2022年度も10年リース契約で毎月15,950円になります。(2022年発行のカタログ調べ)
2023年度のリース代予想
2022年9月に太陽光パネルの販売価格が上昇したため、同月にリース代も値上がりしました。売電単価は本来、太陽光パネルの相場によって変動します。
2022年の売電単価は17円ですが、2023年は16円と1円下がりましたので、今年度のリース代は1パーセント下がっています。
2023年に建築される方のブログ記事を参考にさせていただきました。
他社ハウスメーカーを経由した場合でSIソーラーのリース代
2021年以降からYotube「せやま大学」チャンネルをはじめ、住宅系Youtuberが発電量が多く保証期間の長いマキシオンのパネルを大きく宣伝するようになりました。
この紹介動画を観て、太陽光発電を導入にマキシオン製のパネルを検討される方が増えており、他社のハウスメーカーを経由して、実際にイシンホームの関連会社SIソーラーにてリースのお見積もりをされる方もいます。
他社を経由した際の7.6kWのマキシオンパネルをリースする場合のリース代は、毎月15,169円で総額で182万円です。設置に掛かる費用は50万円超ということで、トータルの費用は232万円です。
これを同条件でイシンホームで新築を建てる場合であれば、毎月14,000円くらい、総額170万円でリースの契約ができます。設置費用は38万円なので、トータルで208万円となり他社で申し込むよりも10%くらい安価な価格でリースが契約できます。
タリパパさんのブログでは、リース契約を行った場合の20年間の経済効果も掲載されているので、ご興味があればお読みになってください。
今後のリース代の傾向
2020年までにリース契約された方は、リース契約期間が10年でした。しかし2021年から契約されている方は、太陽光設備(パネルのみ)に限りリース期間が10年または15年を選べるようになりました。
リース期間が10年から15年に延びる理由
皆さんご存知であると思いますが、毎年決められるFIT制度の10年固定の売電価格は、太陽光設備費用に比例して下がってきます。これは新しく太陽光設備を導入される方向けに、設備の元がとれるように売電価格を設定されています。
FIT制度が始まった2009年~2012年当時は、太陽光パネルの価格も5kW載せると大体300万円しました。なので当然設備の元がとれるように売電単価も1kW 42円~48円でした。
2012年~2020年の間に毎年太陽光設備の価格も下がってきている事から、連動して固定売電価格も下がってきています。
※蓄電池はFIT制度と無関係なので、売電単価が下がっても蓄電池の価格が下がることはありません
FIT固定価格:契約した年に決められた単価で10年間売電できます。
※2020年に契約すれば2030年までず~と売電単価21円です。
※契約後は毎年下がる売電単価に連動することはありません。
私が2020年に契約した時は、1kWあたり売電単価が21円でパネルの費用は12.96kWで215万円、設置費も入れて280万円です。これでも10年間の売電期間内で元はとれるはずです。(ただし太陽光発電で得た電気を蓄電池に充電する方式であれば期間内に売電だけで元は回収できません)
ちなみに、5kW位の設置でしたら間違いなく元は取れます。
しかし、2021年になってからは売電単価が19円、2022年は17円、2023年は16円まで落ちてきました。当然太陽光パネルの本体価格も下がってきています。
通常であれば10年で元がとれるところなんですが、イシンホームの場合はまた状況が違います。
イシンホームの場合
世間一般的な5kW前後の積載量であれば、10年の固定売電で設備の元がとれるので気にする必要がないのですが、イシンホームの場合はまた違います。
2021年に新商品として登場した「ワンダフルライフ」、2022年に登場した「自給自足 X-ZEGA」。共通していえるのが、太陽光パネルの積載量が多い事です。完全な自給自足を目指すために、太陽光パネルを世間一般よりも2倍以上設置します。
更には2022年9月から、歴史上に残る超円安の影響で太陽光パネルの価格がこれまでよりも2割から3割くらいも上がりました。
これが何に影響してくるかというと、まさに太陽光パネルのコスト費用です。10年間の発電量だけで費用を回収できるかと言われたら難しく、売電だけでは元が取れないんです!! 電気の自給自足スタイルなら尚更です。
イシンホームが当初からよく謳っている、リース代が毎月「実質0円」というフレーズですが、上記のプランで毎月リース代の支払いを行おうとすると、実質0円にならずマイナスになるのが現状です。
このことから、リース期間を15年に延ばすことで毎月のリース代を安くしています。こうすることで、最初の固定売電期間10年は毎月のリース代が安くなりますので、売電金額を差し引くと「実質0円」になるというカラクリです。
固定売電後の11年目~15年目は売電単価が半分以下に下がるので実質0にはなりませんが、実際にそこまで調べられてる施主は少ないものと思われます。太陽光パネルだけならまだ負担が少ないので良いですが、蓄電池も設置しているとなると負担額は大きいものになります。(当方は10年リースですから最初から負担大です)
しかしながら結論をいいますと、リース期間は10年をオススメします。15年にすると、毎月のリース代を抑えられる反面、リース会社の金利が大きく上がる仕組みの為、最終の支払総額が増えます。
2021年以降のリース期間
上記でもご説明しましたとおり、太陽光設備が高いので10年間の売電だけではリース代の元をとることができず、リース期間を長くして毎月の実質負担額を0円に近づける戦略ですが、この方式は今後も続いていくものと思います。
イシンホームが取り扱っているリース設備は、太陽光発電システムや蓄電池以外に冷暖房施設があります。主に2つあり「床下暖房機器」と「放射熱パネルを使用した冷暖房機器」です。これがまた40万以上する高額設備なので、住宅ローンに組み込めない施主に対してリース契約を勧めてきます、
当ブログの自給自足結果に使用する計算方法
当ブログでは、毎月の自給自足結果というものを公開しています。太陽光発電した発電量から設備の元がとれるのか、そしてリース代の実質的な支払いが幾らになるのかを検証しています。
売電量で計算していないのは、日中に売電するはずの太陽光の電気を蓄電池に充電しているため、太陽光発電システムだけで運用する場合よりも売電量が少なくなってしまうからです。
今現在、当方が契約している10年リースの実質負担額を公開しておりますが、今後は同支払額で15年リースを行った場合の実質負担額についても記載していこうかなと思っています。正確な金額ではないので、ご参考程度にご確認ください。
当家の太陽光設置代は、パネル積載量が12.96kWなので64万8千円の設置費用が掛かりました。設置費用はリースに含むことができず、住宅ローンの中に組み込む形となります。
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